気持ちかわるがわる


新しい環境、新しい人、新たな場所というのは「はじめまして」がうようよ飛び交う。 その場での立ち位置がどうなのか、立ち振る舞いはどうだったか、やりすぎたかなとか帰路につきながら振り返ってみたりする。 今日新たに行った現場で、ふと出た話題「距離感を間違えている」。 私は割とすぐにタメ口を聞く。正直、歳上とか偉いさんとか歳下とか同い年とか動物とかあまり関係がなくって。(本当はあかん)でも流石に、それなりにわきまえているので、馴れ馴れしいには繋がらないように、馴れ馴れしいの一歩手前の人懐っこさということで許してください、あたりの絶妙な距離感を取るのが自分のスタンスだと、思っていた。ここポイント!思っていた、過去形。 人見知りではないし、ズカズカと懐に入っていくタイプでもないし、気もそこそこに使うのだけれど、ふと出た「距離感が間違っている」という話題。 するとどうやら、私のことだったみたいで、面白がりながらその人は喋っていたし、最後の一言が嬉しかったけど、それだけじゃいけないなぁと思うので自分への戒めとして記事を上げることにする。 「距離感を間違えている」に補足すると「距離の詰め方を間違えている」ということみたい。私よりはるかに歳上で、演劇でも人間としても全てにおいて先輩との去年の今頃に起きた話である。 先輩の話によると、先輩と私は荷物を運んでいた。マンションのエレベーターは荷物と先輩と私が乗ったらいっぱいいっぱい。荷物は精密機器で安全に運んでいたのだが、いきなり私が壁ドンをしてきて割と至近距離で「いい感じっすね!」と言ってきてほんまにびっくりして声も出なかったということだった。そんな仲よかったっけ、というかいきなり距離感おかしなったなと先輩は思ったらしい。荷物を運び終え、車のところに戻った先輩と私。車で来ていた私は、開きっぱなしのハッチに右手、腰に左手を添えた状態で「おもろいっすね!」といってきたらしい。 先輩はなにこいつカッコつけてるの!なにが面白いの!と思ったらしい。 そういう過去の話を織り交ぜての距離感が間違ってるときあるよね。という話だったのだけれど、最後に、でも面白いからいいで!と言ってくれた。そういう立ち振る舞いが面白いと思う先輩でよかった。一歩間違えたらめっちゃ怒られている。 次は私の立場からこの話の、距離感が間違ってしまったことについて、言えなかった事情を書くとする。 先輩と私は荷物を運んでいた。マンションのエレベーターは荷物と先輩と私が乗ったらいっぱいいっぱい。荷物は精密機器で安全に運んでいたのだが、右手に限界がきた私は左手と右膝でその荷物を支えようと片足立ちの姿勢をとった。そのときにちょっとぐらついて、でも荷物は落とせないし片足立ちだし、前のめりに思わず先輩に壁ドンスタイルをとってしまった。 でもあくまで誤魔化したい私、そしてテンパっている私は「いい感じっすね!」と言った。 片足立ちでぐらつきましたとか絶対言えないので、思わず出たその場をいい感じに保つための「いい感じっすね!」だった。 さらに荷物を運び終え、車のところに戻った先輩と私。車で来ていた私は、開きっぱなしのハッチに右手、腰に左手を添えた状態で「おもろいっすね!」は、ちょうど公演が始まるときで、若干の高ぶりがあった私の気持ちが「おもろいっすね!」だった。 どちらにせよ、今思えば、心の声をそのまま口から出しただけ。私の中では繋がっていることだけど、先輩からしたらなんのことやら。 「距離感を間違えている」わなぁと思う。そもそもただ荷物を運んでいるだけで、そのとき大事なのは精密機器であって、お互いの心情なんて知らなくていい。それが恋している人とかならまた話は違ってくるのだけれど、ただ荷物を運搬する先輩と私の気持ちはこれといってピックアップしたいところでもない。 ふぅ。私はなにをこんなに一生懸命書いているのだろう。 割とすぐにタメ口を聞く。歳上とか偉いさんとか歳下とか同い年とか動物とかあまり関係がない。でも流石に、それなりにわきまえているので、馴れ馴れしいには繋がらないように、馴れ馴れしいの一歩手前の人懐っこさということで許してください、あたりの絶妙な距離感を取るのが自分のスタンスだと、思っていた。 そして「距離感を間違えている」話になって、私は結局のところ馴れ馴れしいと思われているのではないだろうか。引く人からしたら引くのではないか。「はじめまして」からのスタートダッシュをフランクに攻めていくのは、見直した方がええのか。と日本人らしく気にしすぎるほどに、気にしすぎながら帰路についた。 書いてる間に、どんどんどうでもよくなってきている。書きはじめと書き終わりの気持ちもこんなに変わってる。

出会い頭にハグするような国育ちでもないから、距離感は相手と決めていくことにします。

ご機嫌な五月もおわります。 


by.MEGUMI   MAKABE

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